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DJ向けエレクトロニックミュージックの音楽配信サイト最大手beatportのレーベル・アーティストへの売上配分が遅配になっていて、駆け出しレーベルオーナーとしては気になる事になっていますが、日本語の情報が少ないので僕もちょっと調べてみました。

beatportは2004年1月、今をときめくコロラド州デンバーでサービスを開始。2013年には、EDM総合プロモーター会社で”Tommorowland”や”Electric Zoo”といったEDMフェスなどを運営しているSFX Entertainmentに$50m(約7億円)で買収されています。SFX社のCEOはRobert F.X. Sillermanというマスメディア畑でぶいぶい言わせたニューヨーク出身・67歳のユダヤ系男性で、体臭まで金の臭いがしそうなミスターEDMです。

 

事の発端は、beatportがレーベルやアーティストに対して7月30日までに支払わなければならない4月〜6月分のロイヤリティーが、「SFX Entertainmentが株式を非公開化するプロセスを進めている」ことを理由に8月になっても支払われていないことにあります。beatportは自社のシステムを利用してレーベルやアーティストの作品を配信し、その売上の60%程度を制作者に配分していますが、その配分の支払いが滞った訳です。

で、僕もレーベルをやっている端くれとして気になったので、ちょっと調べてみました。まず、この記事にある「SFX Entertainmentが株式を非公開化するプロセス」がどういうものか。
これは、SFX社が売却した62%の株式を、8月14日までに売却先から1株$5.25で買い戻して、非公開企業に戻る(Go Shop)というもの。それにかかるコストは総額$774m(約1000億円)。8/14のSFX社の時価総額は$135m(約170億円)と会社を売り払っても全然足りない状態なので、beatportの売上に手をつけてまで資金繰りしたものの、結局は失敗に終わりました。

ちなみに、SFX社の株価の推移ですが、2014年1月には$12の高値をつけていましたが夏頃から株価は下がり始め、2015年に入ってからは$5を超えることはありませんでした。そして今年8/10にbeatport遅配の情報がネットに流れると株価は$2.36と下がり、8/14に非公開化するプロセスが失敗して$1.39まで下がっています。
こうしてみるとSFX社の次の一手は当然会社の切り売りになると思うので、来年beatportやTommorowlandがどうなってるかわかりません。無くなりはしないと思いますが、EDM終わりの始まりを予感しますね。

 

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個人的には、beatportが音楽作品をあまりにインスタントに扱っていることに違和感を感じ、あまり利用してもいないし、psymaticsレーベルはbeatportでは配信していません。しかし、一時代を築いたサービスが親会社の勝手な都合で信用を失うのは悲運と言えるでしょう。あとレーベルやっていて売上の大半がbeatportを占めている方は支払いに気をつけた方がいいですよ!
でも、このミスターEDMはまだ非公開化を狙っていて、次はTommorowlandなど夏フェスの売上が入ってくる10/2だとか…。吉本興業も非上場企業になりましたが、興行の世界はそういう方向を目指したがるものなのでしょうか。

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